因数分解=式の展開
さて、前の項目で「引き=足し算」の話から、最後は「因数分解=式の展開」の話まで広げてしまいました。
「因数分解=式の展開」の話を、もう少しさせてください。
プリントを用意しました。
☐には符号も含めての数が入ります。ちょっとわかりづらいですが・・・。
さて、1.①は普通の展開です。
1.②もできるでしょう! どの☐から数字が埋まっていくのか!?ということも、押さえたいですね。
それが、思考の流れです。
かなり大雑把なプリントにしてしまったので、問題数が全く足りませんが、①、②のパターンはもっとさせる前提です。
そして、③も①②ができれば、流れ的にはできてしまうのではないでしょうか?
③は因数分解ですよね。展開の流れの中で因数分解もできてしまうということです。
ここでも、どの順に☐が埋まるのか? 生徒たちに問いかけても面白いですね。
勿論、このプリントで授業を展開してしまうと、生徒たちは展開と因数分解がごちゃ混ぜになって混乱してしまうでしょう。
だから、現実問題としては使えないですかね。
でも、因数分解は式の展開の流れの中でできてしまうことは理解してもらいたいと思います。
さらに2.の問題ですが、2乗の展開公式(2乗に因数分解する)です。
②で既に因数分解になっています。
この形で、特徴的なのは、右辺のxの係数がひとつも入っていないということです。
②では、xの係数が -10 だったら、
x^2-10x+16=(x-8)(x-2) ですね。
2乗の因数分解になるためには、xの係数は -8 でなくてはなりません。
我々は、頭の中でどのような流れで因数分解しているのでしょう。
x^2+☐x+16 をみたとき、x と 4(16が4^2だから) を頭に浮かべ、x の係数が -8 出なくてはいけないと思いつつ(になっていることを確認して)、
x^2-8x+16=(x-4)^2 と因数分解します。
だから、x の係数がいくつになっていなければいけないかを意識させるために、すべて☐にしてある訳です。
( )^2 に因数分解できる場合は、3つの項のうち、最初と最後が何かの2乗の形で、さらに真ん中の項でチェックすることで ( )^2 に因数分解できるかどうか判断する。
だから、1.のパターン以上に2.のパターンは展開がきちんとできていないといけない訳です。
因数分解が式の展開の逆の計算というのならば、まずは、式の展開をしっかりできるようにしておかないといけない。
展開の動きをしっかりと身に付け、「展開を意識しながら」因数分解をする。
我々は、そんな頭の動きをしているのではないでしょうか?
ならば、生徒にもそれができるように指導することが大切です。
そのためには、どのような授業展開が考えられるのでしょうか? 面白いですね!