足し算=引き算
引き算と足し算は同じ計算ですね。
それは、「裏を返せば同じ」ということではありません。
例えば、
13-8=5 ですが、頭の中では 8+5=13 だよね。と考えているということです。
つまり、引き算をするときに、頭の中では足し算を基に計算しているということです。
もっとわかりやすい例では、『割り算=かけ算』でしょう。
15÷3=5 は『3には5をかければ15になるから』と頭の中では計算していますよね。
だから、小学2年生で九九を徹底的に暗記させるのですね。
すなわち、「引き算=足し算」であり「割り算=かけ算」であるわけです。
さて、ここでちょっとニュアンスは違うかもしれませんが、「因数分解=式の展開」という話を進めてみましょう。
これも当り前。・・・と、思われるかもしれません。
一般的に教科書でも、
因数分解の公式は、式の展開の公式をひっくり返したものとして説明しますし、因数分解は展開の逆の計算として説明します。
(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab の両辺を入れ替えれば、 x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
ですね。
だから、因数分解と式の展開は同じものなんだよ。と、説明するのでしょうか?
ここで、実際の因数分解を考えてみましょう。
例えば、
x^2-6x+5 を因数分解しようとすると、かけて5、足して-6になる2数を探します。
順序としては、まずはかけて5の2数を見つけ、その組の中で足すと-6になる2数を見つけるわけですね。 ⇒ -1と-5
だから、 x^2-6x+5=(x-1)(x-5) となります。
でも、因数分解をしながら、右辺を展開すると左辺に戻ることを頭の中で確認しているのではないかと思います。
因数分解をしながら、展開もしている。
その意味において、「因数分解=式の展開」と、私は考えています。
また、その感覚を生徒に持たせたいですね。
さらに、重要と思われるのは、割り算にとってかけ算が大切なのと同様に、因数分解にとって式の展開はとても大切なのです。
式の展開がスムーズにできることは因数分解につながることになりますよね。