グラフの導入


グラフの導入ですが、ご存じのとおり

1.中学の復習として y=ax^2 のグラフを確認

2.y=ax^2+q のグラフが、y=ax^2 のグラフをy軸方向にqだけ平行移動させたもの

3.y=a(x-p)^2 のグラフが、y=ax^2 のグラフをx軸方向にpだけ平行移動させたもの

とした後、2と3の組み合わせとして、y=a(x-p)^2+q のグラフを考えます。


ここで、教科書を改めてみてみると、

y=ax^2+q のグラフは、y=ax^2 のグラフをy軸方向にqだけ平行移動した放物線である。その軸は直線x=0、頂点は点(0,q)である。・・・①

y=a(x-p)^2のグラフは、y=ax^2 のグラフをx軸方向にpだけ平行移動した放物線である。その軸は直線x=p、頂点は点(p,0)である。・・・②

とまとめています。それぞれの問題では、式の形から軸と頂点を求めて、グラフを書かせています。

ところが、y=a(x-p)^2+q のグラフの説明では、

y=ax^2 のグラフをx軸方向に移動させ、さらにy軸方向に移動させると、y=a(x-p)^2+q の形の式ができる。となっています。

なぜ、ここで突然に流れが逆転してしまうのでしょう?

感の良い生徒なら問題ないかもしれません。しかし、そうでない生徒にとってはいきなり思考の流れが逆転してしまっては混乱してしまいます。


授業展開としては、

  A、①、②のところで、きちんと逆の思考を押さえておく。

  B、y=a(x-p)^2+q の説明も同じ思考の流れで持っていく。

のどちらかだと思います。

しかし、教科書ではBにするのは難しいのだと思います。黒板ならスムーズな説明ができるでしょう。

蛇足ですが、教科書ではできない、板書の有効利用が活きる単元であるともいえます。

板書の工夫は面白いですよね。