2次関数の決定


2次関数の決定という項目があります。

例題では、

 グラフが次の条件を満たす2次関数を求めよ。

  (1) 頂点が点(1,-3)で、点(-1,5)を通る。

というものです。


解答は、

 まずは、頂点の座標から y=a(x-1)^2-3 の式を作り、点(-1,5)を通ることから、その(x,y)を式に代入してaの値を求め、完了です。


この解答には、何の問題点もありませんが、授業者は「授業のつながり」を意識した授業を展開したいところです。

実は、10ページほど前に、y=ax^2 のグラフを移動させて y=ax^2+q や y=a(x-p)^2 のグラフを考え、そのまとめとして y=a(x-p)^2+q のグラフを考えたところで、

 2次関数 y=2x^2 のグラフを平行移動して頂点を次の点に移したとき、それをグラフとする2次関数を求めよ。

 (1) (-3,4)    (2) (2,-5)   (3) (-1,-6)

といい問題があります。

この問題は、頂点から式を作る問題です。すなわち、上記の例題はすでに半分は既習事項だということ。

そういった「つながり」は大切にしたいし、「以前習ったこと」を使って、そしてそれが”少し発展した内容”という感覚は大事だと思います。

「新しい問題」ではなく「積み重ね」という指導が大切だと思います。


また、もう一つのポイントとして、【点(-1,5)を通る】 = 【x=-1,y=5の代入】があります。

なぜ、通る点の座標を代入するんですか? そんなの当り前ですよね。

でも、その当たり前は「先生にとっては」です。

初期のグラフ指導では、「グラフがその式を満たす点の集合体であること」をなんども意識させないと、「グラフが使えない」ことになります。

感の良い生徒は大丈夫でしょうが、そうでない生徒のために、「グラフって何?」をいろいろな場面で確認してあげるとよいのではないでしょうか?


蛇足ですが、

思うに、我々教師はすでに知っていることを「あたりまえ」と思てしまうとそこに「落とし穴」があるということになるのでしょう。

だって、子供たちはまだちゃんと理解していない事柄なんだから。